chimaera's garage

運転のお作法

第一回 左側の車両感覚

さて「運転のお作法」第一回です。一回目のテーマは左側の車両感覚です。これは意外にできていない人も多いのか、縦列駐車ができないとか、大きな駐車場で左側の列に駐車できず、いつも右側(運転席側)に停めてるとか、キープレフトができないとかよく見かける光景ですね。
で、さすがにキープレフトができないのはなんとかしなければいけないので、みなさんがんばりましょう。
車両感覚
さて、みなさん道路を走っているときは、目の前にこんな光景が広がっていると思います。
ここで注意してほしいのが、道路の端のラインがダッシュボードのどこを通過しているかですね。車両感覚が苦手な人は、ここに気がついていない人が多いようです。これで一見ぴったりと寄せているように感じる人もいるでしょう。

車両感覚
でも、この状態の時、左側のドアミラーを見るとこのように、まだ余裕があることが判りますね。
左側には、まだまだ余裕があります。

車両感覚
外から見るとこの通り。
自転車が余裕で通れるくらいのスペースがあります。逆に言うと、これでは左にクルマを寄せたことにはなりませんね。

そこで、クルマを寄せるときなのですが、この「左への寄せ」が要は縦列駐車ということになります。このとき注意しなければいけないのが、たいていのクルマは、ハンドルを切ると前のタイヤの向きが変わる点です。
そのため、車体の後ろを寄せることは非常に難しく、前を寄せるのは非常に簡単なのです。つまり、前進でクルマを寄せようとすると、楽な前が先に寄ってしまうため、前はちゃんと寄っているのに、後ろが寄り切らないという変な状態になってしまいます。
これを防ぐ方法は単純です。後ろを先に寄せれば良いのです。で、最後に前を帳尻あわせすれば、きれいに寄せることができます。だから、縦列駐車はバックでやるのが基本なのです。
車両感覚
というわけで、先ほどの状態から、左側を注意しながらバックで左側に寄せていきます。
この時、ハンドルは左にいっぱいに切ってくださいね。すると、車体の後ろが左に、前が右に動き出します。
人通りのないところであれば、右側は道路ですから問題ないと思います。ただ、追い越していく車両があるときは、右側が道路の中央よりに出ていくことを忘れないようにしましょう。

車両感覚
そして、徐々に動いていくとミラーには道路脇の様子が映るようになります。一見、もう道路の端まで行ってしまっているようにも見えますが……

車両感覚
実際にはちょうど良いくらいです。ここまで来たら、逆に右にいっぱいにハンドルを切って、さらにバックしていってください。
すると、左の後輪を中心に、コンパスのように車体の前が、左に寄っていきます。

車両感覚
そして、道路と平行になるまでバックします。

車両感覚
すると、ちょうどぴったりですね。タイヤは縁石に一度も触れずにぴったり寄せることができました。

車両感覚
最初の時とは、道路の端の縁石がダッシュボードのどこを通っているかが違っていることに気がつくでしょうか?
これが、このクルマの左端の戦と言うことになります。意外にも、ダッシュボードの中央よりも運転席側に見えるものなのです。

車両感覚
同じことを壁に対してもやってみましょう。
実は、ミラーで感覚を把握しやすいので、壁がある方が簡単なのです。

車両感覚
左に切れるだけハンドルを切ってバックします。すると、ドアミラーに左側の壁と車体との間の間隔が映ります。この時、左後ろの端を壁に寄せていくつもりで、ギリギリまでバックしてください。

車両感覚
そして、後ろが十分に寄ったら、逆に右にいっぱいにハンドルを切って、今度はドアミラー本体と壁との間隔を見ながら前を寄せていきます。
ミラーがぶつからない程度に前を寄せてください。この時点で、ミラーには壁と車体との隙間がちゃんと映っていますね。

車両感覚
すると、このようにぴったりと寄ります。通常の縦列駐車でも、この程度寄せればOKでしょう。

このように、左側の車両間隔を身につけるには、左側のドアミラーをしっかりと使うことが重要です。走行中も絶えず左のミラーに何が映っているかを気にすることによって、キープレフトは簡単にできるはずです。また、ダッシュボードのどこに道路の端が見えればギリギリなのかを確認しておくことも良いでしょう。だんだん慣れてくると、左右の前の端は、運転席に座った状態での左右の足の延長線上にあることも判ってくると思います。それまでは、ダッシュボードの上に何か目印を置いても良いかもしれません。(どうせ何かを置くのであれば、こういう目的で置きましょうね)
ちなみに、この講座、例としてかぷち号でやってますが、クルマのサイズに関わらず(除く:トレーラー)、どのクルマでも基本は一緒です。ただ、注意しなければいけないのは、左の後輪の位置が重要になると言うことです。一部の大型セダンおよびRV車の中には、後輪とクルマの後端との間が結構あるものもあります。この場合、後ろに車体がつきだしている文、左の後輪を寄せるが難しくなります。この手のクルマは、端に車輪があるクルマよりも縦列駐車がやりにくくなるのは、仕方ないといえるでしょう。
クルマ選びの際には、小さいから取り回しが楽と言うだけではなく、この後輪から車体の後ろの端までの長さも注意してみてください。大きいクルマでもここが短ければ、意外と縦列は簡単にできます。
ではまた。